美術ラボは、個人指導で豊かな表現力を効果的に身につける、どなたにも楽しんで制作をしていただける絵画教室です。

三色で描く、油絵講座

< 開講準備中 >

―論理的プロセスで学ぶ、油彩の描きかた―

本講座は、初心者から経験者まで、論理的なプロセスに基づいて油彩を学べるオンライン絵画教室です。三原色を使った色彩理解から、静物描写、完成作品の仕上げまで、一歩ずつ学んでいただけます。


この講座では、「自由に描く」よりも一歩踏み込んだ、論理的なプロセスに基づいた絵画メソッドを学んでいきます。描く手順には理由があります。理論に裏打ちされた方法で、油彩画をしっかりと身につけていきましょう。
伝統的な色彩理論や描画手法を踏まえつつ、それらを現代的に実践しやすい形へと磨き直しました。確かな土台のうえに、独自の工夫を加えた内容です。

本講座は、油彩による絵画空間の構築を習得することを目的としています。鉛筆デッサンなどの基礎練習を中心に行うものではありませんが、初めての方も安心して取り組めるよう、下絵やプロセスをご用意しました。油彩の奥深い魅力を、すぐに体験していただけます。


絵具の本質と支持体の色

混色理論と実際の違い
混色イメージ

「絵具」は単なる色ではなく、物質としての性質を持っています。混色の理論上ではできるはずの色が、実際にはうまく発色しないこともままあります。この“ズレ”を理解することは重要です。

下地の色による効果の違い
支持体の違い

本講座では、着彩された支持体(描かれるもの)を使用します。キャンバスや紙などの支持体は、日本では白いものが多く使われ、また販売されています。しかし、対象の立体感や、よりリアルな表現には、中間色を利かせた有色地が有利に働きます。こうした点を有効に活かして描写のトレーニングに取り入れています。

材料の違いによる効果
文化と表現の違い

絵画技法は、文化の違い(日本では紙や絹地に墨を用いることが多い等)や、地域ごとに手に入りやすい材料にも影響されてきました。油彩画の本場である欧州では、古くから褐色や青灰色等に着色をした下地が、素描や絵画を問わず多く使われてきました。このような歴史的背景も学びながら、合理的なテクニックを理解します。

具体的な練習の流れ

三色によるカラーチャート
カラーチャート作成

必要に応じて、ご自身で三色を組み合わせるカラーチャートの作成もします。これは絵具の色味の関係を理解するための、とても効果的な方法です。

モチーフ別に整理した描き方
モチーフ描画例

いくつかの代表的なモチーフ(例:果物、布、静物など)を取り上げ、それぞれに適した、チャート化された描き方を身につけます。描きながら“パターン”を整理していくことで、自然と「描き方」の引き出しが増えていきます。

下絵のトレースから開始
トレース工程

はじめは、こちらで用意した下絵(線画)を使い、それを支持体にトレースするところから始めます。構図に悩まず、モチーフの表現に集中できるようにしています。

油彩だからこその魅力

ゆっくり描ける油彩
油彩の特徴

使用する絵具は油彩です。アクリル絵具のようにすぐ乾く心配がなく、ゆっくり描き進めることができます。とはいえ、乾きの遅い油彩では、急いだ作業では画面上の絵具同士が混ざってしまい、はっきりした上描きや、細かい描き込みがしにくいイメージもあります。

油彩の乾燥を助ける工夫
支持体の工夫

本講座では、紙やMDFボードの支持体を使用することで、余分な油を支持体に吸わせ、画面の乾きが早まったような状態をつくり出します。これにより、上描きもスムーズになり、制作の自由度が高まります。

混色・グラデーション
油彩表現の魅力

もちろん、絵具の量の加減で、油彩ならではの混色やグラデーションも可能です。たっぷり絵具を使い、画面の中で色をつくっていく感覚を楽しんでください。

完成後

インテリアとしての油彩画

物質感の強い油絵は完成後に存在感を放ち、ただの教材ではなく、手元に置いていつまでも楽しめるインテリアにもなります。

完成作品例
^